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大阪から世界へ! ともに成長する関係を築く

テーマ:ゲートタワー

大阪から世界へ! ともに成長する関係を築く

グラングリーン大阪・南街区のパークタワーとゲートタワーに、総貸室面積約34,000坪の大規模オフィスが誕生する。交通の利便性はもちろん、公園と一体となった緑溢れる空間や多彩なワークスペースなど、多様なワークスタイルに対応した次世代オフィスだ。
同オフィスには、大阪・関西から世界へイノベーションを発信するさまざまな企業・団体が入居する。住宅設備・建築資材のインターネット通信販売が主な事業のサンワカンパニーもそのひとつだ。建材業界にイノベーションを起こし続ける同社の取り組みや、同社の本社機能をグラングリーン大阪に移転する理由について話を聞いた。

右から、井神和磨さん/株式会社 サンワカンパニー(管理部 法務課 総務課マネージャー)、水田明美さん/株式会社 サンワカンパニー(管理部 総務課)、小林大気さん/株式会社 サンワカンパニー(マーケティング部マーケティング課 広報チーム)

1979年、大阪で創業したサンワカンパニーは、2000年に建築資材のインターネット通信販売業を開始。メーカーや工場から直接仕入れることで低価格での販売を実現し、工務店や一般消費者を問わず誰でも同じ価格で買える”ワンプライス”を導入し、商品をフェアに選べるビジネスモデルを構築した。
「建材業界ではかなり特異なビジネスモデルだと思います。“お客様第一”という経営理念のもと、メーカーや工場から直接仕入れることで中間コストを削減し、透明性の高い低価格販売を実現しています。この仕組みは、我が社の特徴と言えますね」と話すのはサンワカンパニーの井神和磨さん。

「我が社では経営陣がリモートワークを推進していることもあって、新オフィスでもフリーアドレスの採用を予定しています。移転後、多様な働き方ができることを私たちも期待しています」と井神さん。

業界初の快進撃は販売価格だけにとどまらない。2018年にはイタリア・ミラノで開催されるミラノサローネ国際家具見本市で、“The Impact of Compact”をテーマに都市部の住居空間の狭小化に対応したデザインとして8種のコンパクトキッチンを発表。出展企業1,841社から最も優れた企業を表彰する「ミラノサローネ・アワード」をアジア企業として初めて受賞し、機能性とともにミニマリズムなデザイン性も優れていることを周知させた。

2018年にイタリア・ミラノで開催された世界最大規模の家具見本市ミラノサローネ。同見本市でイタリアデザイン界の巨匠のアレッサンドロ・メンディーニによるカラフルなキャビネット型のキッチンや高さを調整できる可動式のキッチンなど、8種のコンパクトキッチンを発表し、ミラノサローネ・アワードを受賞した。

2022年には、横浜に完全無人のスマートショールームを設立。店舗内に設置した最新の音響機器とモニターを通じて、客がどこにいてもスタッフがその場にいるようなリアルな接客をしてくれるという。1日3組の完全予約制なのでゆったりと落ち着いて商品を吟味できると評判だ。
「今年9月には札幌にもスマートショールームを構える予定です。有人のショールームはこれまで東京、大阪、仙台、名古屋、福岡と全国の5都市にオープンしていますが、大都市エリア以外のお客様にも訪れていただけるように、順次展開していく予定です」と井神さん。

また、小林大気さんも、利便性だけを重視するのではなく、実物を“見せる”ことの重要性を改めて強調する。
「ネット通販は簡単にアクセス・購入ができるという良さがある一方で、現物を見て触ることができないという懸念もあります。安い買い物ではありませんので、ひとりでも多くのお客様にショールームへ足を運んでいただきたいという思いから、今後も実現していきたいと考えています」

「新オフィスでは、自社製品の空間のなかで働けることを楽しみにしています。実際に身を置くことで新たなアイデアやブランディングにつながるだろうと思っています」と小林さん。

同社の取り組みは国内にとどまらず、海外展開も強化していくと水田明美さんが続ける。
「今年6月にインドネシアのジャカルタにショールームをオープンしました。現在海外で展開しているショールームとしては中国、シンガポールに続き3カ国目になります」
各国の現地企業や日系企業と販売店契約を締結し、ショールームの運営・管理を委託。現地と密着したビジネスを展開していく。まさにサンワカンパニーの「世界の人々の“くらし”で最も必要とされる企業集団を目指す」というビジョンに着々と歩を進めている。

今後は主軸のEC事業だけではなく、新たな事業についても注力していくと水田さんは説明する。「最近では住宅事業を開始しました。加盟いただいた全国の工務店とデザインコンセプトを共有し、一緒になって自由設計の住宅を供給していくASOLIE(アソリエ)というデザインネットワークを構築したり、自社商品を使って中古マンションをフルリノベーションした物件の販売をスタートしています」

南街区にはアジア初進出となる「タイムアウトマーケット大阪」や、ヒルトングループの最上級ホテルブランド「ウォルドーフ・アステリア大阪」が入ることが決定している。「話題の施設が目白押しで、食の分野でも楽しみですね」と水田さん。

そうした事業を拡大していくなかで本社をグラングリーン大阪のゲートタワーに移転するのはベストなタイミングだったと井神さんは言う。
「事業が成長していくなかで、人員増加というのは避けられない問題としてありました。現オフィスは業務スペースが21階と12階の2フロアに分散しているため、社員同士のコミュニケーションの分断という課題がありました。1フロアに集約することでその課題を解決したいと考えていたタイミングだったのです」

ゲートタワーのオフィス空間は約6,000坪(5階から17階)で、1フロアの広さは480坪ほど。サンワカンパニーは13階(1フロア)に入居し、現オフィスと比べ約1.5倍増床する予定だ。「従業員が通勤するうえで駅に近い立地というのも魅力的でした」と井神さんは語る。また、ゲートタワーには、JR大阪駅から地下通路、地上1階、2階のデッキと3つのフロアレベルからアクセスすることができ、今年3月に開業した「JR大阪駅(うめきたエリア)」からオフィスロビーまでは約徒歩2分で行くことができる。
「社員が通勤したくなるオフィスづくりというのも大切です。新しいオフィスの環境も、我々は建材だけではなくスタイリッシュな空間創りを提供している会社という自負がありますので、ソフト面においても理想のオフィス環境になるべく構想を練っている段階です」と小林さんは新オフィスへの期待を滲ませた。

JR大阪駅(うめきたエリア)からアクセスしやすい、ゲートタワー2階のオフィスロビー。ダークな木目調でスタイリッシュな空間を演出。
GGNがランドスケープのデザインコンセプトを手がけた緑豊かな都市公園や、建築家の妹島和世と西沢立衛が率いるSANAAが設計した大屋根施設を眼下に見下ろすことができるオフィススペース。

「我が社は13階に入居する予定ですが、1フロアまるごと我々だけのスペースであることに社員たちも大いにモチベーションも高まっていますし、都市公園の緑を眼下にのぞむ眺望の新オフィスに期待しています」と水田さん。それに対して、サンワカンパニーのブランディングの観点からも、グラングリーン大阪が最適であると井神さんが続ける。
「グラングリーン大阪は、官民が連携しまちづくりをしている新しい街なので、日本のみならず世界からも注目を集めています。私たちも大阪発の企業で世界を目指しているので、新たな大阪のランドマークとともに世界に羽ばたいていこうと思っています」

業界の常識を覆して成長を続けるサンワカンパニーと「みどりとイノベ-ションの融合拠点」がまちづくりのコンセプトであるグラングリーン大阪。新しいイノベーションを起こすには、最高の環境になるに違いない。

写真:東谷幸一 文:脇本暁子

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